― 推し活アクリルに学んだ倫理経営 ―
北海道札幌市で、アクリル・プラスチックの二次加工業を営んでおります。
いわゆる“透明な板”を切ったり磨いたり接着したりしている会社です。
今日はその「透明な板」から学んだ倫理経営のお話をさせていただきます。
■ 推し活市場との出会い
ここ数年、「アクスタ」という言葉をよく耳にするようになりました。
アクリルスタンド。
いわゆる“推し”を飾るグッズです。
正直に申し上げますと、
最初は「流行りものかな」と思っておりました。
しかし、あるお客様から言われた一言が、私の価値観を変えました。
「この子に、何度も救われたんです。」
アクリルスタンドは、
単なる商品ではなく、
誰かの心を支える存在だったのです。
■ 安さを取るか、価値を取るか
推し活市場は、価格競争が激しい世界です。
「もっと安くできますか?」
この言葉は、何度もいただきました。
ですが私は、考えました。
倫理法人会で学んだ
「物は、これを生かす人に集まる。」
安く作ることはできる。
しかし、それで“物は生きるのか”。
黄ばんでしまう。
台座がゆるい。
すぐ傷がつく。
それは、本当に“生かした”と言えるのか。
■ 透明だからこそ、誤魔化せない
アクリルは透明です。
つまり、
ごまかしが効きません。
磨きが甘ければ、すぐ分かる。
精度が低ければ、すぐ倒れる。
これは経営と同じだと思いました。
経営も、透明です。
理念と行動が一致していなければ、
必ずどこかで歪みが出る。
■ 倫理とは、見えない部分に手を抜かないこと
私はこう定義しています。
倫理とは、
見えないところに手を抜かないこと。
板材の選定。
面取りの角度。
検品工程。
誰も気づかないかもしれない。
しかし、自分は知っている。
ここを磨いた会社に、
仕事は集まる。
そう確信しています。
■ 北海道の小さな加工屋の挑戦
私たちは大企業ではありません。
大量生産もしていません。
ですが、
「高いには理由がある」
この言葉を正々堂々と言える会社でありたい。
推しを大切にする人に、
誠実な製品を届ける。
それが、私たちの倫理経営です。
■ 最後に
いつも自分に問いかけています。
あなたは、物を生かしていますか。
あなたは、人を生かしていますか。
あなたは、自分を生かしていますか。
物は、これを生かす人に集まる。
推し活アクリルという一見小さな世界から、
私は大きな倫理を学びました。
透明な板のように、
透明な経営を。
株式会社アイドウ 代表取締役 金田日悟

